毎日暑い日が続き、キッチンに立つのも少し億劫になる季節。 そんな夏の食卓で頼りになるのが、そうめんやお蕎麦、冷やし中華といった冷たい麺料理です。
手軽に作れて喉越しも良いメニューですが、続くとなんだか少し味気なく感じてしまうこともあるかもしれません。
そんな時こそ、作家の手仕事による「うつわ」の出番です。 特別なお料理を用意しなくても、うつわの力を少し借りるだけで、いつもの麺料理は目にも涼やかで心満たされる豊かな一品へと変わります。 本日は、夏の麺料理を静かに引き立てる器選びと、盛り付けのヒントをご紹介します。
■ そうめん | 「余白」で凛とした涼感を演出する

そうめんは、ガラスの器や、澄んだ水のような青磁(せいじ)、染付(そめつけ)といった涼やかな器と相性が抜群です。
たっぷりのお水と一緒に大きな鉢に泳がせるのも夏の風物詩ですが、一人分ずつ7寸(約21cm)ほどの平皿や浅鉢に氷と共に盛り付けるのも美しいものです。
器の「余白」をあえて多めに残すことで、凛とした静かな涼感が生まれます。傍らには、薬味を少しずつ載せた豆皿をいくつか並べて。
それだけで、いつものそうめんが小料理屋のような端正な表情を見せてくれます。
■ 冷やし中華 | 「浅鉢」で彩りを優しく受け止める
色とりどりの具材が賑やかに乗った冷やし中華には、少し深さのある「浅鉢(あさばち)」がよく似合います。
白磁や粉引といった穏やかな色の器を選べば、トマトの赤やきゅうりの緑、卵の黄色といった食材が持つ鮮やかな色が美しく引き立ちます。 また、少し縁が立ち上がった器なら、タレもしっかりと受け止められ、最後のひと口まで美しくいただくことができます。
■ お蕎麦 | 「すだち蕎麦」の緑を鉢に美しく浮かべる

夏の冷たいお蕎麦といえば、薄切りのすだちをたっぷりと浮かべた「すだち蕎麦」もこの季節ならではの楽しみです。
鮮やかな緑と透き通ったおつゆの涼やかな景色を味わうなら、ぜひ少し深さのある「鉢」を合わせてみてください。 たとえば、土の温もりを感じる黒や濃い色の鉢を選べば、すだちの緑がハッと目を引くほど色鮮やかに引き立ちます。また、凛とした白磁の鉢なら、よりいっそう清涼感のある端正な佇まいに。 広めの鉢のなかに、すだちを丁寧に並べて浮かべる。その静かなひと手間が、いつものお蕎麦をお店でいただくような特別な一品にしてくれます。
暑い日の簡単な食事も、器ひとつで心ほどける豊かな時間になります。 ぜひ、ページ下部に並んだうつわたちのなかから、夏の食卓を涼やかに彩る一枚を見つけてみてください。
食卓が、心地よいものでありますように。
うつわ御結