毎日、当たり前のように手にする「湯呑み」や「汲み出し」。
お茶を飲むという日常のささやかな時間にこそ、作家ものの器を迎えてみてはいかがでしょうか。
唇に触れる縁の感触や、両手で包み込んだときの土の温もり。少しの気配りが、いつものお茶の時間をぐっと豊かなものに変えてくれます。
■ 手に馴染む心地よさ
作家が一つひとつ手仕事で手がける湯呑みは、同じように見えてもわずかに形や重さ、手触りが異なります。
ろくろの跡が指先に優しく添うものや、ふっくらとした丸みが手のひらにすっと収まるもの。土の力強さを感じる陶器から、すっきりと端正な磁器まで、自分の手に一番しっくりと馴染むものを選ぶ時間は、とても楽しいひとときです。 直接手で包み込み、口をつける器だからこそ、量産品にはない「人の手の気配」が心地よい安心感を与えてくれます。

■ 土ものと磁器、それぞれの佇まい
日常使いの器は、素材によってもお茶の時間の愉しみ方が異なります。
土の温もりを感じる「陶器(土もの)」は、ともに時間を過ごすことで景色が育っていくのが大きな魅力です。お茶を淹れるたびに、釉薬の表面にできる「貫入(かんにゅう)」へ穏やかにお茶の色が馴染んだり、使い込むほどにしっとりとした手触りへと変化していきます。目止めなどの最初の手間も、自分だけの器へと育てていく大切な時間です。
一方で、すっきりと端正な「磁器」の湯呑みには、陶器とはまた違う静かな魅力があります。つるりとした心地よい口当たりや、淹れたお茶の水色(すいしょく)をパッと鮮やかに引き立ててくれること。そして、作家ものの磁器だからこそ感じられる、ただ真っ白なだけではない手仕事の柔らかな揺らぎが、いつもの食卓に凛とした空気を運んでくれます。

一息つくための、大切な相棒のような存在。
ぜひ、毎日の暮らしに静かに寄り添ってくれる、お気に入りの一客を見つけてみてください。
うつわ御結