織部焼の緑に魅せられて | 400年愛される釉薬の色

織部焼の緑に魅せられて | 400年愛される釉薬の色

深く、みずみずしい緑色。 和食器の中でもひと際目を引く「織部焼(おりべやき)」の緑は、400年以上もの間、日本の食卓で愛され続けてきた特別な色です。

本日は、そんな織部焼の歴史的な背景と、独特の美しい緑色が生み出す魅力、そして現代の食卓での気負わない使い方についてお伝えします。

■ 織部の歴史 | 完璧を崩す「ひょうげた」魅力

 

織部焼は、今から約400年前の安土桃山時代、武将であり茶人でもあった古田織部(ふるたおりべ)の指導によって生まれました。

当時の茶の湯の世界では、端正で完璧な形が美しいとされていましたが、古田織部はあえて器を歪ませたり、大胆な模様を描いたりといった「不均整の美」を見出しました。この型破りで遊び心のある「ひょうげた(おどけた)」魅力は、当時の人々を熱狂させ、現代の作家たちの手仕事にも脈々と受け継がれています。

■ 独特の「緑」 | 食卓に自然の景色を運ぶ釉薬

 

織部焼の最大の魅力は、なんといってもその深い緑色にあります。

この色は、銅を含んだ釉薬(緑釉)をかけて焼き上げることで生まれます。窯の中で溶けた釉薬が流れて溜まることで、深い森のような濃い緑から、透き通るような明るい緑まで、一つひとつのうつわに異なるグラデーション(景色)が生まれます。

私たちがご提案したいのは、ガラスケースに飾っておくための美術品ではありません。料理を盛り付けて初めて完成する実用性を備えた「道具」です。釉薬の自然な流れは、日々の食卓にホッと息をつけるような温かな「余白」を生み出してくれます。

 

■ 現代の食卓での使い方 | 料理を引き立てる万能な色

 

一見すると個性が強く、使いこなすのが難しそうに感じる緑色のうつわですが、実は現代の食卓において非常に頼りになる万能な存在です。

織部の緑は、いわばお料理に添える「葉っぱ」と同じ役割を果たしてくれます。 トマトの赤や卵の黄色といった鮮やかな食材はもちろん、唐揚げや煮物など、茶色くなりがちないつものお料理をのせるだけで、美しい色のコントラストが生まれ、パッと華やかな景色に変わります。

特別な日のためだけでなく、毎日のなかで少しずつ自分のものに育っていく素直な道具として。 ぜひ、あなたのお気に入りの緑を一つ、食卓に迎えてみてください。

食卓が、心地よいものでありますように。

うつわ御結

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