雨が続く季節は、食卓の色合いがふと気分を左右することがあります。
じめじめした空気の中でも、器のトーンを少し意識するだけで、食事の場がすっと整う感覚。雨の多いこの時期こそ、お天気に合わせた「うつわ選び」を楽しんでみると面白いものです。
■ 涼しさを出したい日は、すっきりとした「白」や「青」を

すっきりとした白磁や染付の藍、あるいは、ほんのりと淡い青みを帯びたうつわ。こうした涼やかなトーンの器は、どんな料理の色もきれいに受け止め、食欲を自然に誘ってくれる頼もしい存在です。
お刺身のほんのりとしたピンクや、よく冷やしたトマトの赤。
白や青のうつわに盛ると、みずみずしい素材の色がいっそう際立って見えます。
■ 肌寒い日には、陶器の温かみを

一方で、しとしとと雨が降る肌寒い日には、ざっくりとした土の質感を持つ「陶器」が食卓に温もりを運んでくれます。
釉薬の穏やかな揺らぎや、両手で包んだときに伝わる土の重み。温かいスープや煮物をよそうと、湯気まで美味しそうに見えてくるから不思議です。同じ料理でも、器が変わるだけで「涼」を感じたり「温」を感じたりと、味わいの印象まで少し変わる気がします。
「すっきり涼みたい日は白や青、ほっと落ち着きたい日は土もの」
そんなふうに、その日の空気や気分に耳を澄ませて選んでみるだけで、いつもの食卓が季節に寄り添った心地よいものになっていきます。特別な料理でなくても、器ひとつで食事の時間が少し豊かになる。梅雨の食卓を、器で楽しんでみてください。
食卓が、心地よいものでありますように。
うつわ御結